仁宝電脳工業（コンパル・エレクトロニクス）は29日、中国・江蘇省常熟市にコネクターメーカーと合弁で電子部品メーカー「升宝精密電子」を設立すると発表した。同社によると、新設する合弁企業へは、第三地を経由して8,057万台湾元（２億2,700万円）を上限に投資を予定。合弁相手は明らかにされていない。30日付経済日報が伝えた。
陳瑞聡同社総経理は先ごろ「ＥＭＳ（電子機器受託生産サービス）分野への拡大を目指し、部品メーカーとの統合を進める」との方針を示しており、背景にはノートパソコン分野での事業展開を積極的に進める鴻海科技集団（フォックスコン）などＥＭＳ企業に対抗する狙いがあるとみられる。
昨年、筐体（きょうたい）世界最大手の巨騰国際控股と合弁で南京に筐体工場（巨宝精密加工）を設置した同社は、今後はコネクターのほか、ヒンジメーカーなどへの出資も検討しているもようだ。
証券会社は、コンパルは出資企業からの部品調達比率を高めることで、コストを抑え収益力の向上が期待できるとしている。
