交通部観光局は今年、外国人観光客の誘致目標を前年比9.3%増の延べ480万人に設定した。昨年、前年比で2倍近い伸びとなった中国人観光客によって、台湾を訪れた観光客は14.3%増とアジアで最高を記録。今年も順調な伸びを見込んでおり、ホテルの等級付けや観光モデルコースの選定など、観光の質的向上に取り組んでいく。1日付工商時報が報じた。
台湾観光協会の厳長寿名誉会長は1月、花蓮・台東の観光振興のため香港・日本からのチャーター便誘致に取り組む考えを表明した(中央社)
昨年台湾を訪れた外国人観光客は延べ439万4,967人で、前年比14.3%増は金融危機の影響で世界全体の観光市場が4%、アジアで2%縮小した中で出色の数字となった。これは前年比95%増の60万6,174人となった中国人観光客による貢献が大きい。
今年は中国人観光客が75万~80万人への増加が見込めること、および景気回復から全体で480万人を誘致、観光収入2,400億台湾元(約6,762億円)の達成を見込んでいる。香港・マカオ、東南アジアを特に開拓に力を入れる主力市場、中国およびイスラム圏を新興市場と位置付ける。日本から昨年訪台した人は7%減少したものの、観光目的は1.7%の減少にとどまり、観光局は依然開拓の余地があるとして今年の誘致目標を110万人に設定している。
中国人観光客誘致では、江蘇省に続き、山東省とも10万人規模の観光客誘致計画を協議中で、今後河南省、北京市などとも観光客誘致の交渉を進める。
ホテル・宿泊施設、1万室以上増加
観光局は台湾観光の質的向上に向けて、春節(旧正月)後にホテル・旅館の1つ星~5つ星の格付けを行う「星級評鑑」に着手するほか、台湾を6地区に分けて各地で最も優れた民間業者による観光振興の取り組みを助成する「国際光点計画」を実施する。補助金額は1年目は計7,500万元を予定している。
また、2年以内に「旅行台湾・感動100」をテーマに、登山や自転車、文化、温泉など目的別に100のモデルルートを選定し宣伝に努める。
観光局はこれらの振興策により2012年段階で、▽観光産業の売上高5,500億元▽直接・間接の観光業の就業人口40万人▽民間投資額2,000億元を誘致▽海外ブランド観光チェーンホテル10社以上の誘致──の達成を目標にしている。
なお、交通部は現在大型観光ホテルやビジネスホテルなど37軒の投資計画を把握しており、今年は台湾全土で宿泊施設の部屋数が1万室以上増加する見通しだ。