ニュース 社会 作成日:2010年2月5日_記事番号:T00020824

11年の長きにわたり続いてきた歯磨き粉業界の「黒白戦争」が、とうとう終結した。歯磨き粉「黒人牙膏」の生産メーカー・好来化工が、「名称およびパッケージを剽窃(ひょうせつ)した」として、「白人牙膏」の生産メーカー・嘉聯実業を告訴した裁判で、最高法院は4日、好来化工側の敗訴判決を下したのだ。
黒人牙膏といえば、1933年に中国(上海)で生まれ、以来70年以上にわたり中国、香港、台湾をはじめシンガポールやタイなどでも愛されている歯磨き粉の有名ブランド。もともと「DARKIE(色が黒い人)」だった英語名は、黒人に対する蔑称に当たることから、90年に現在の「DARLIE」に改名。現在は広東省中山市の工場で生産されている。
中国での市場シェアは13%だが、台湾市場では常にトップで、一時は7割を超えたことも。そのため、台湾では白人牙膏や緑人牙膏(台湾潔歯化工)など類似ブランドが生まれた。
「黒白戦争」の起こりは97年。黒人牙膏(好来化工)が、行政院公平交易委員会(公平会、公正取引委員会に相当)に対し、白人牙膏(嘉聯実業)を訴えたのが始まりだった。公平会は「侵害には当たらない」と白人牙膏に有利な判決を下したが、黒人牙膏は台北高等行政法院に提訴し、今度は勝訴した。しかし、これを不服とする公平会が上訴してこの度、最高裁で黒人牙膏の敗訴が確定した。
黒人牙膏には帽子をかぶった男性のロゴマークがあるが、白人牙膏にはない。黒人牙膏のパッケージの文字は縦書きだが、白人牙膏は横書き。白人牙膏は89~96年に多額の広告費用を投じて宣伝したことから一定の知名度を持ち、その商標はすでに20年の歴史がある。
最高裁はこれらの状況から、「両者はパッケージの図柄や全体的なデザインが異なり、消費者が両者を混同するとは考えにくい」という判断した。
黒人牙膏は無駄に時間を費やした結果敗訴となってしまったものの、台湾でのトップブランドの地位は依然揺るぎない。今後は、後発組の追随を許さない新たな市場戦略が期待されるところだ。
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