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作成日:2010年2月5日_記事番号:T00020848
東芝のNAND生産再編、パワーテックに追い風
東芝は3日、携帯電話などに使われるNAND型フラッシュメモリーの生産子会社、東芝LSIパッケージソリューション(TPACS、福岡県宮若市)の工場を11月をめどに閉鎖し、東芝本体の四日市工場(三重県四日市市)に生産を集約すると発表した。今回の決定は東芝からパッケージング・テスティング(封止・検査)を受注している台湾の力成科技(パワーテック・テクノロジー)には追い風となりそうだ。
東芝は今回の生産再編で生産コストの圧縮を進めると同時に、パッケージング・テスティングの外部発注比率を80%に高める構えだ。このため、パワーテックは大きな恩恵を受けるとみられる。
パワーテックの蔡篤恭董事長は4日、「円高とコスト面の観点に加え、東芝がNAND型フラッシュメモリーの増産を進めるとみられ、取引先への外注量は確実に増える見通しだ。パワーテックによる受注機会も昨年より伸びが見込まれる」と述べた。
パワーテックの設備稼働率は95%以上に達しており、蔡董事長は「受注は既に6月以降まで見通せる状況で、市場による見方も非常に明るい」と指摘した。同社の2009年第4四半期業績は売上高が前四半期比7.9%増の87億4,300万台湾元(約248億5,000万円)となり、四半期ベースで過去最高を記録。粗利益率も27.5%に上昇した。通期の売上高は前期比3.9%減の299億6,800万元で、最終利益は49億5,600万元だった。