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シンプロ、中国普天とEVバッテリー合弁


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2010年2月5日_記事番号:T00020850

シンプロ、中国普天とEVバッテリー合弁

 
 ノートパソコン用バッテリー大手、新普科技(シンプロ・テクノロジー)は4日、中国4大中央企業(国有資産監督管理委員会直属の国有企業)の1社で、通信機器メーカーの中国普天信息産業(Potevio)と、電気自動車(EV)用電池および充電システムの開発・製造・販売を手掛ける合弁会社を設立すると発表した。新会社は今年、上海市奉賢区に工場を設置、来年から量産に入る計画で、世界的なエコロジー志向、中国政府による補助政策を背景に2012年には売上高が100億台湾元(約284億円)を超えると見込んでいる。5日付工商時報などが報じた。
 
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 宋福祥同社董事長によると、新会社に対するシンプロの出資額は4,800万人民元(約6億4,000万円)で持ち株率は48%にとどまり、董事長も普天側が派遣するが、董事会の役員数は双方が3人ずつ、総経理以下、実際の業務運営に当たる経営陣にはシンプロ側の人員が就任する。

 宋董事長は「強い影響力を持つ大手中央企業と提携できることで、大陸(中国)での当社の地位が向上し、他の地方政府との協力にも役立つ」と普天との合弁の意義を語った。またシンプロと普天は、中国政府が進めるEVバッテリーの標準規格制定に関与する専門家とも協力しており、市場参入では他社より優位な立場にあるという。

バッテリーリース・交換方式を推進
 
 中国中央企業の中で最も早くからEV分野に参入した普天は、中国海洋石油(中国海油)と充電スタンドの設置を主力事業とする合弁会社「普天海油新能源動力」を設立しており、同社は中国政府の計画に従って、今後、上海、北京、成都など5都市でにスタンドのテスト運営を行う予定だ。当面は、バス、郵便用車両、レンタカーが主な対象となる。

 また普天は今年1月、バッテリーのリース方式によるEV普及を図ることで成都市政府と戦略提携を結んでいる。リース方式とはバッテリーの標準規格を制定した後、バッテリー別売りのEV車に対してバッテリーを貸し出すものだ。充電の際はスタンドでバッテリー交換を行い、料金は走行距離に基づいて支払うことになるという。

 宋董事長は、「EVの普及を阻んでいる値段の高さの原因はバッテリーにある。これをリース方式にすれば消費者が手を出しやすくなる」と指摘した。

「EV普及、中国が最速」
 
 宋董事長は、「中国は政府がEV産業を重視して補助や税金の減免措置を打ち出しているため、世界でも最も速く普及が進む市場となる」と期待を示した。これによりEVバッテリーは、ノートPCに続くシンプロの主力製品となり、同社連結売上高は2009年の342億1,600元から、5年内に1,000億元を超えるまでに成長すると見込んでいる。
  
【表】