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作成日:2010年2月9日_記事番号:T00020913
死者のお告げで再捜査、中学生殺人事件が13年ぶり解決

1997年9月に台中県梧棲国民中学1年の黄世昌さん(当時12)が行方不明となり、1カ月後に白骨化した遺体で発見された事件で、台中県警察局清水分局の田中湶捜査隊長(45、役職は当時)はこのほど、黄さんの夢を繰り返し見たことをきっかけに徹底した再捜査を行い、13年ぶりに加害者を突き止めた。
田隊長は昨年、別の殺人事件を捜査中に偶然黄さんの事件の捜査資料を目にして、内容に疑問を抱き、頻繁に黄さんの夢を見るようになった。黄さんは1年上の先輩2人から頻繁にかつあげに遭っていたが、当時の捜査では殺害されたと断定する決め手を欠き、事故死として処理されていた。
ところが、田隊長の再捜査で、黄さんが行方不明となった当日、先輩2人と校門を出ていたとも目撃情報が寄せられ、うち1人を追及した結果、現在27歳になる加害者は遺影を前に涙を流しながら「もう1人と共謀して殺害した」と犯行を自白した。
それによると、先輩学生は黄さんから恒常的に20~30台湾元の現金を巻き上げており、犯行当日も人影が少ない場所に黄さんを連れ出し、無抵抗の黄さんの腹部を4~5回刺して殺害したという。
先輩学生のうち、自白した1人が犯行当時14歳未満だったため、法的には責任能力を問えない。もう1人は犯行当時14歳になったばかりで、殺人罪の適用対象となるため、現在警察に指名手配されている。
自白した男は、「ここ数年心理的に不安定で自首も考えたが勇気がなかった」と、良心の呵責(かしゃく)に悩まされていたと供述した。一方、黄さんの母親は「これだけ年月がたった後、証拠の全くなかったところから検挙でとても感謝している」と田隊長の活躍をたたえた。