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作成日:2010年2月9日_記事番号:T00020914
警護指揮官採用の省エネカー、総統車両に追いつけず
政府が推進する省エネルギー・減炭政策を受け、各省庁のトップ自らが模範を示すため、公用車の大型車から排気量3,000cc以下の小型車への乗り換えが進んでいるが思わぬところで業務に支障をきたしている。8日付中国時報が報じた。
馬英九総統警護の指揮官に当たる国家安全局(国安局)の蔡得勝局長も政策に従い、自身の公用車にこれまでの大排気量輸入車ではなく、国産車で排気量3,000ccの三菱グランドに切り替えた。
しかし一方で馬総統の公邸、中興寓所の警備室特勤車隊に配備されているのは、排気量3,000ccに満たないものの、馬力やトルクは国産車に勝る輸入車のBMW・5シリーズ。そのため、馬総統が急いで移動しなければならない場合など、蔡局長の国産車は総統の公用車やこれを警護する特勤車隊の車列に追い付くことができず、1台だけはるか後方に離されてしまい、警護の指揮官が不在となる事態がしばしば起きているという。
また国安局は、総統が被災地慰問などに使用する公用車として四輪駆動車を購入する計画だったが、馬総統の「もったいない」の一声で見送られたという。このせいもあってか、昨年8月の台風8号(アジア名・モーラコット)による大規模水害で、馬総統が山間部の被災地を訪れた際に、公用車がぬかるんだ山道でスリップし、後退りするという非常に危険な状況が発生した。