ニュース 電子 作成日:2010年2月10日_記事番号:T00020968
ノートパソコン受託生産大手の仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)と、EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手の鴻海科技集団(フォックスコン)が、ベトナムでの生産計画を再開する。中国の労働力不足を受けて生産力確保に対応を迫られてのもので、最近注目を集める中国・重慶と同様、現地で台湾電子業界によるサプライチェーン形成も期待される。10日付経済日報などが報じた。
コンパルの陳瑞聡総経理はベトナムでの操業開始時期について、「中国・江蘇省昆山市の工場での労働者不足の状況をみながら決める」と語った。工場建設と試験生産を経る必要があるため、ベトナムでの生産開始は早くて今年下半期とみられている。
同社は昨年10月、6億4,500万台湾元(約18億円)を投じて昆山市に同地5基目の工場建設を発表しており、今年第3四半期から生産に入る計画だ。しかし業界関係者によると、中国での労働者不足は今や平均2割に達し、昇給や、残業、シフト調整などあらゆる手を尽くしても受注に対応し切れなくなっている。しかも、春節(旧正月)後にはさらなる悪化が予想されている状況だ。このためコンパルは今回、労働力不足の課題は長期的なものになるという判断からベトナムへの投資再開を決定した。
ベトナムは2003年の新型肺炎SARS発生後、「チャイナプラスワン」の新たな生産拠点として電子受託生産メーカーの注目を浴びた。しかし、社会インフラの未熟さやすそ野産業の欠落、さらには南部でのストライキ多発といった問題があり、金融危機の発生もあって投資計画の見合わせや後れが相次いでいた。
郭董事長が約束
ベトナム計画投資省傘下の英字週間経済紙「ベトナム・インベストメント・レビュー」が今月1日付で北部ビンフック省産業団地管理公社社長の話として報じたところによると、鴻海集団は郭台銘董事長が最近現地を訪れ、今年上半期中にベトナム投資を再開すると関係者に約束した。
鴻海は07年、バクニン省、バクザン省、ビンフック省、ハイフォン市(以上北部)、中南部ビンディン省、南部ホーチミン市の計6省市で、パソコンや液晶ディスプレイ、携帯電話などを生産する、計50億米ドル規模の大規模投資計画の覚書を計画投資省と締結した。このうちビンフック省には2億米ドルで携帯電話工場(年産規模8,900万台)および工業団地を建設する計画だが、金融危機の発生によって進行が中断し、ベトナム側から反発も出ていた。
なお、鴻海やノートPC受託生産の広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、英業達(インベンテック)は昨年以降相次いで重慶市への投資を決めており、これも華東および華南地方の労働力不足と賃金高騰への対応策とみられている。
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