明基友達集団の李焜耀董事長は、22日付経済日報に掲載されたインタビューの中で、新・奇美電子(チーメイ・イノルックス)の誕生など液晶パネル業界の再編が進む中、友達光電(AUO)による中国での第7.5世代工場の投資申請など今後の経営戦略を説明した。李董事長は「今年はグループ企業の業績を単に金融危機前の水準に引き上げるだけではなく、過去最高を目指す」と述べ、グループ全体で年商1兆台湾元(約2兆8,600億円)の達成に挑む姿勢を強調した。
李董事長はまず、AUOの対中投資計画では、中台間で採用技術に格差を付けるとする政府方針に沿って、春節(旧正月)連休後に第7.5世代工場の投資申請を行う考えを示した。投資規模は約1,000億元で、建設地は華東または華南となる見通しだ。投資形態については、「電子分野の国有企業などから提携の申し入れがあり、あらゆる提携方式も可能性があるが、AUOが主導権を握る」と述べた。
量産時期については、「液晶パネル工場は通常、当局の認可から量産開始まで1年半を要する。(中国の)京東方科技集団は第8.5世代工場を着工して半年たつが、経験不足などで進行が遅れている。AUOは彼らに遅れることなく、2011年後半に量産を開始したい」と述べた。
「新奇美電には負けない」
一方、群創光電(イノルックス・ディスプレイ)と奇美電子(CMO)などの合併によって誕生する新・奇美電子について李董事長は、「AUOの競争力には何ら影響がない。新・奇美電子との競争では、大量生産の標準型液晶パネルでは決して負けることはない」と強調した。
また、奇美電との合併交渉が不調に終わった背景については、「話がまとまらなかった理由はわれわれの側にはない」とした上で、「合併交渉でわれわれが最もためらった理由は、多くの社員が奇美電との合併を望まなかったことだ。AUOは過去2回の合併で、経営統合の過程が非常に苦しいことを知っている」と述べた。両社の業務が重複するなど、経営統合プロセスに難航が予想されたことが理由だったことを示唆した格好だ。