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作成日:2010年2月25日_記事番号:T00021116
不倫を「カッピング」と強弁、妻が現場踏み込むも無罪に

東元電機(TECO)の黄佐麒経理(37)は、2年前から女性看護師の趙妍琳さん(26)と不倫関係にあった。夫の車内から2人の親密な写真やメモを発見した黄経理の妻(36)は、興信所に不倫捜査を依頼した。
とうとう黄経理の不倫を暴くことになった昨年10月15日午後8時、黄経理の妻は興信所のスタッフ2人とともに、趙さんの借りているマンションに到着した。
3人が突入した室内には、トランクスを身に付けただけの黄経理と、一糸まとわぬ趙さんの姿があった。興信所のスタッフは、不倫の証拠にと、驚き慌てる2人の写真を撮りまくった。怒った黄経理は妻に殴り掛かろうとしたが、興信所のスタッフに阻止された。
その後、黄経理と妻はお互いを台北地方法院(地裁)に訴え、その判決が24日に下された。
判決によると、姦通罪で訴えられた黄経理と趙さんはなんと無罪。2人は法廷で愛人関係を認めたものの、性行為はなかったと一貫して主張。「衣服を脱いでいたのは、互いにカッピング(吸い玉、血行をよくする民間療法)をしていたから」と説明していた。
裁判官は証拠写真の中で、趙さんの背中にカッピングのあとが認められたことや、現場のごみ箱に捨てられたティッシュペーパーから体液などが検出されなかったことから、「性行為があった」と証明するには証拠不十分と判断し、無罪になったというわけだ。
一方、不倫を摘発した黄経理の妻は、住居侵入罪および強要罪で拘留25日間(執行猶予2年)に。興信所のスタッフ2人も同罪で、それぞれ懲役4月と拘留80日となった。
黄経理の妻は、「カッピングをするのに、丸裸になる必要があるの?」「私は子育てでこんなに大変なのに、夫は外でいい思い。裁判官は妻の身になってくれない」と憤まんやるかたなしで、上訴するという。
弁護士によると、姦通現場を押さえる際には、警察官に同行してもらうのが一般的だ。このケースのように住居侵入罪などに問われないよう、自分の身を守ることも大切だという。