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作成日:2010年2月25日_記事番号:T00021117
高校の歴史教育、中国史倍増・世界史半減を検討
今年9月からの高校新学年の歴史教育で、中国史の割合を現在の2倍に増やし、世界史の割合を半減する案が有力案として検討されていることが、高校歴史教育の改訂を担当する教育部の小委員会委員である周婉窈・台湾大学歴史系教授によって明らかにされた。周教授は「同案では学生の国際観を養うことができない。また、台湾史は両岸(中台)友好関係史となってしまい、歴史観のひどい歪曲(わいきょく)となる」と批判している。25日付自由時報が報じた。
小委員会がまとめた歴史教育改正の甲乙丙3案で、周教授によると教育部がメンバーの委員に支持するよう圧力までかけている甲案は、現在の台湾史、中国史、世界史の割合を「1対1対2」から「1対2対1」に変更し、戦後中国史は「一つの中国の分裂」として教え中台関係をこれに含めることも検討する。また、日本統治時代は日本による台湾人差別を強調して教える。一方、丙案は、中国史と世界史の割合を「1.5対1.5」にして、戦後中国史は中華人民共和国に限定、日本統治時代は植民地の問題と近代化の役割にも同時に触れる内容で、周教授自身は丙案を支持している。
周教授によると、小委員会は4月中旬に最終草案を教育部に提出する予定で、教科書の改悪は重大な社会危機だとして台湾各界に注視を呼び掛けている。
一方、陳益興教育部次長は「小委員会の草案提出後も公聴会が予定されており、草案で最終決定ということにはならない」と説明した。