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作成日:2010年2月26日_記事番号:T00021145
死刑囚44人、4年間執行ゼロで存廃議論

死刑制度の存廃問題で議論が起きている。台湾で最後に死刑が執行されたのは、2005年12月26日、施茂林・前法務部長の時だ。死刑囚の林盟凱・林信宏兄弟が銃殺刑に処された。以来4年余り、台湾は死刑執行モラトリアムだ。
死刑は判決が確定した後、最高法院から最高法院検察署、法務部へと公文書が送られ、法務部長がサインした後、高等法院検察署(高検)の検察官が看守所に赴き、3日以内に執行される流れだ。
ところが、06年に死刑が確定した放火犯の鐘徳樹死刑囚は、法務部長が死刑執行許可のサインをした後、人権団体が最検署に調書の閲覧などを申し立てたため、公文書が高検に送られず、いまだ死刑が執行されていない。法務部長がサインしたにもかかわらず、4年以上も「生かされて」いる初のケースとなっている。
目下、死刑が確定している死刑囚は計44人。しかし、王清峰法務部長(女性)は08年5月の就任以来、1件も執行許可のサインをせず、この4年余り死刑の執行数はゼロとなっている。
このため国民党立法委員からは、「法務部長は自身の宗教を理由にサインを拒むべきではない」「法律で死刑執行が定められているのに執行しないのは、被害者遺族の感情を無視している」「凶悪犯罪に対する抑止力がなくなる」といった批判の声が出ている。
これに対し王法務部長は「死刑廃止は法務部の既定政策」という立場だ。社会秩序維持のために死刑の抑止力が必要であるとの考えには、「世界各国の文献や資料によれば、両者の間には何の関連性も見いだせない」とコメント。「世界の3分の2に当たる132カ国が死刑を廃止しており、廃止は世界的な趨勢(すうせい)」と強調している。
これまで、女性団体、婦女救援基金会や駆け込み寺の役目を果たす避難センターの設立、慰安婦問題などに取り組んできた王法務部長は、人権活動家としても有名。周美青総統夫人と政治大学法律学系時代の同級生で、馬英九総統からの信頼も厚いとか。任期中に死刑執行のサインをすることは果たしてあるのだろうか?