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民進党が3選挙区で勝利、立法委員補選


ニュース 政治 作成日:2010年3月1日_記事番号:T00021201

民進党が3選挙区で勝利、立法委員補選

 
 立法委員の県長転任で欠員となった、桃園県第3選挙区など全土4選挙区で立法委員補欠選挙が27日行われ、野党民進党が3選挙区で勝利した。馬英九政権の不人気を背景に、国民党支持層が投票に行かず投票率が低下する中、民進党が基礎票で勝利する最近の傾向が今回も続いた。今年末には台北市や市制昇格を迎える新北市(現台北県)など5直轄市の市長選挙が予定されているが、現在の情勢から見て民進党の一定の善戦が予想される。
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初の選挙指揮となった金溥聡・国民党秘書長(右)は「陣営の分裂があった」と指摘。直轄市長選に向けて敗因の洗い出しを行うと表明した(27日=中央社)

 民進党は地盤の嘉義県第2選挙区で順当勝ちしたほか、本来国民党支持層の強い桃園県第3選挙区、新竹県でも勝利した。花蓮県では敗れたものの、立法委員選では過去最高の得票率40.8%を獲得した。選挙の結果、立法院の議席数は、国民党75、民進党33、無所属5となる。

 今回、各選挙区の投票率は、▽桃園県第3選挙区、41.37%▽新竹県、36.0%▽嘉義県第2選挙区、38.36%▽花蓮県、41.59%──と、いずれも前回2008年1月の立法委員選の平均投票率58.5%を大きく下回った。馬政権の施政能力への低評価、「親中路線」への懸念、国民党が依然立法院で圧倒的多数を占めており選挙結果が中央の政治勢力の消長に影響しない、などの理由で国民党支持層が積極的に投票に行かなかったことが低投票率の理由として挙げられる。

分裂も影響

 民進党が勝利した3選挙区のうち、桃園県第3選挙区は国民党の陳学聖候補4万2,600票(得票率44.37%)に対し、民進党の黄仁杼候補が4万5,363票(47.25%)を獲得して勝利した。同選挙区では、呉伯雄国民党名誉主席の宗族「呉家班」のメンバーである桃園県議の呉餘東候補、中レキ市副市長(レキは土へんに歴)の林香美候補も国民党を離党して立候補した分裂選挙となって、票が割れたことも影響した。さらに、陳候補は台北市出身で、朱立倫・前県長時代に県文化局長を3年務めたが地元との関係は薄く、客家人口の多い同選挙区で、4候補者中、唯一客家でなかった点もマイナス要素だったとみられる。

 有権者の7割が国民党支持層である新竹県で、敗れた鄭永堂・国民党候補の得票数は5万6,342票(得票率44.03%)だった。昨年12月の県長選挙で国民党公認で当選した邱鏡淳候補は9万7,151票、国民党を離党して立候補した張碧琴候補も7万6,254票を獲得しており、2候補者合計の約17万3,000票のわずか3分の1の得票となった。張碧琴氏の支持者が投票に行かず、邱県長も選挙に協力的でなかったとされ、鄭候補陣営からは「投票率が42%あったら勝てたのに無念だ」との声が聞かれた。

過去半年は7勝2敗

 前回立法委員選と比べ、民進党は桃園県第3選挙区では約4,000票得票を減らし、今回新竹県で当選した彭紹瑾候補も、昨年12月の県長選立候補時より5,500票減らした。民進党は支持を伸ばしているわけではないが、馬政権の不人気による国民党支持層の不投票に乗じて勢力を回復させている形だ。昨年9月以降の立法委員補選では民進党の7勝2敗となったが、国民党支持層が民進党候補に票を投じる事態までには至っていない。

 今年12月には台北市や市制昇格を迎える新北市など5直轄市の選挙が予定されており、このままの情勢で行けば民進党が一定の善戦をするとみられる。その場合、高雄市、台南市では勝利し、台北市、台中市は敗れはするものの得票を伸ばすことが予想される。新北市は国民党の次世代スターである朱立倫行政院副院長の出馬呼び声が高く、同市の行方が全体の勝敗の分水嶺となりそうだ。
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蘇貞昌氏、台北市長選出馬へ

 1日付中国時報などによると、民進党の有力者である蘇貞昌・元主席が、直轄市長選で台北市での立候補を決め、近く正式な表明を行うもようだ。蘇氏は現時点で12年の次期総統選挙での同党の有力候補と目されており、直轄市長選では台北市と新北市のどちらから立候補するのか注目されていた。

 台北市は外省人人口が多く、外省人は外省人候補に投票する傾向が強いため、外省人である現職の郝龍斌市長が有利で、民進党候補者が勝つことは困難だ。一方、蘇氏は以前台北県長を2期務めたことがあり、新北市長選では勝利の可能性がある。しかし、勝利した上で12年の総統選挙に出馬するとなると、初代市長が任期を途中で投げ出したと批判を浴び、有権者に悪印象を与える恐れがある。

 それよりも勝つ見込みの薄い台北市で善戦できれば、総統選に向けて陣営のムードを高める効果を期待できるという判断が、台北市を選択する背景にあるとみられる。この手法は前回総統選で敗れた謝長廷・元民進党主席が使っており、謝氏は06年の台北市長選に出馬し郝龍斌氏に敗れている。

【表】