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台鉄史上初、列車の騒音に改善命令


ニュース 社会 作成日:2010年3月11日_記事番号:T00021410

台鉄史上初、列車の騒音に改善命令

 
 雲林県斗六市雲林路二段の住宅地は、台湾鉄路(台鉄)の線路に隣接しているため、住民は長年列車の騒音に悩まされている。列車が通過する際はうるさくて電話もできず、眠ることもできない。堪忍袋の緒が切れた住民らは、雲林県環境保護局(環保局)に何度も苦情を訴えてきた。

 環保局は住民らの陳情に基づいて1月31日に地元を訪れ、朝、昼、晩、夜間の各時間帯ごとの音量測定を実施した。線路から3メートル離れた地点の平均最大音量は、94.7デシベルで、このエリアの最高許容値である85デシベルを上回っていることが判明した。1台の列車が通過する際には、100デシベルを超えるケースもあった。上りと下りの列車2両がすれ違う時が一番うるさかったという。

 そこで環境局は、1月21日に新たに制定されたばかりの「陸上運輸システム騒音管制基準」に基づき、2月22日、台鉄に6カ月以内に騒音を改善するよう要求。改善できなかった場合は、10~15万台湾元の罰金が科されることになる。

 100年を超える歴史を持つ台鉄にとって、地方政府から騒音改善の行政処分を受けるのは初めて。台鉄側は、騒音測定が台鉄に通知せずに行われたことや、測定地点が線路のすぐそばであることを挙げ、新制度の規定に反すると指摘。しかし雲林県側は、環保局は従来騒音測定を単独で行ってきたため、今回新制度に基づく台鉄への通知規定を忘れたと釈明した上で、騒音は事実であることを強調している。

 台鉄の路線延長は全土1,000キロ以上。このエリアのように鉄道路線があり、騒音が予測されるのにもかかわらず、後から線路沿線に建てられた住宅も多い。しかし住民からの苦情で騒音公害が実証されれば、台鉄は騒音対策を講じなければならない。公害への意識が高まる中、こうしたケースはこれからも増えそうだ。