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域内航空、上半期は全社赤字に


ニュース 運輸 作成日:2007年8月20日_記事番号:T00002179

域内航空、上半期は全社赤字に

 域内航空会社は今年上半期、高速鉄道に客足を奪われた結果4社とも赤字になった。20日付工商時報によると、この8月の台北~高雄、台北~台南便の搭乗率はわずか4割強にまで落ち込んでいる。

 域内4社は昨年、復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)と華信航空(マンダリン航空)がそれぞれ約1億台湾元(約3億4,500万円)の黒字を計上。立栄航空(ユニー航空)は損益トントン、遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)は赤字だった。

 しかし今年上半期、復興と立栄が約1億元の赤字に転落した。華信も3,000万元近くの赤字を計上、遠東の赤字額は2億元に膨れ上がった。

 搭乗率の落ち込みは深刻だ。4社は今年5月中旬、台北~高雄を通常運賃で利用する場合、どの航空会社のチケットでも相互利用できるサービスを開始。復興と遠東が7月から台北~台南の往復運賃を一律2割引にするなど乗客の引き止めに努めた結果、7月の搭乗率は約55%を維持した。しかし、高鉄が7月27日より運行本数をそれまでの片道31本から37本に引き上げた結果、直ちに客足が減少。高鉄は中秋節以前に片道45本に増便することを打ち出しており、影響はさらに大きくなる見込みだ。

 高速鉄道の開通により、すでに台北~台中、台北~嘉義の2路線が運航停止に追い込まれており、現在残っているのは台北~台南、台北~高雄、台北~恒春の3路線のみ。台北~台南は高鉄開通前の1日9便から5便に減っており、台北~高雄も5月の相互利用サービス開始時の24便から22便に減っている。同サービスは、「便数を2便以上減らさない」ことが行政院公平交易委員会により認可条件とされていたため、9月以降さらに乗客が減った場合の航空会社の対応が注目される。ある航空会社の幹部は、「交通部民用航空局の協力が得られれば、現在運航している4社を3社または2社に減らすことも一つの解決策」と語っている。

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国際便に注力

 高鉄が増便すれば域内路線の収益はさらなる悪化が見込まれるため、各社はそれぞれ国際便に力を入れるとみられる。

 華信は今年新機材を3機導入して、台中~ホーチミン市、台中~香港、高雄~ホーチミン市の路線にそれぞれ投入していく計画。また、新たに高雄と日本を結ぶチャーター便も打ち出す。こうした新機材、新サービスによって競争力を高め、損益均衡を達成したい考えだ。