来年中華民国が建国100周年を迎えるのに当たり、記念行事を行う「中華民国建国一百年基金会」は30日、馬英九総統らが出席する中、公式ロゴのお披露目を行った。しかし、政治的にデリケートとの理由で、ロゴからは「建国」という二文字が削除され、与野党双方から猛烈な批判にさらされている。30日付自由時報が伝えた。
ロゴお披露目には馬総統(右2)をはじめ政府の主要メンバーが勢揃いしたが、確かにテーマの見えにくい発表会となった(29日=中央社)
ロゴは「100」という数字を図案化したものに「中華民国精彩一百」という文字が添えられたデザインだ。関係者によると、「建国」という文字はデリケートなので、スローガンは「中性化」すべきだという結論に達し、「建国」という文字が削除されたという。背景には関係改善が進む中国への配慮があったとみられる。
国民党の曹爾忠立法委員は「建国という言葉も発せないのでは、記念行事などやめてしまえ」と不満をぶちまけた。
同党の羅淑蕾立法委員も「建国は事実だ。対岸(中国)を刺激することを恐れていたのでは、どんな政策も共産党の顔色をうかがわなければならなくなる」と疑問を呈した。
普段「中華民国」という国号をあまり用いない野党・民進党も同様だ。翁金珠立法委員は「中華民国総統が建国100周年を祝おうと叫ぶのは当然なのに、肝心なところで委縮していては、見下されるだけだ」と馬総統の不甲斐なさを切り捨てた。