家具・インテリア販売チェーン日本最大手のニトリは、先週台湾5店舗目となる台北敦化店をオープンしたのに続き、4月に高雄市に進出するなど年末までに8店舗体制として、スウェーデンの大手家具チェーン、IKEAとの差を広げる。将来的には全土で70~80店を展開する計画だ。IKEAは現在4店。30日付経済日報などが報じた。
ニトリ台北敦化店が入居する王朝大酒店ビル(YSN)
ニトリ台北敦化店は26日、南京東路と敦化北路の交差点の、王朝大酒店(サンワールド・ダイナスティ・ホテル)の地下1階にオープンした。IKEA敦北店と隣り合う立地だが、似鳥昭雄同社社長は商品傾向が異なるため、業績への懸念はないという考えだ。似鳥社長によると、IKEAは欧米人の体形に合った組み立て家具が多い一方、ニトリはアジア人の生活様式に合った家具を取りそろえており、しかも組み立て済みで便利、価格も安いという強みがある。台湾人が慣れ親しんでいる欧米規格の家具は、実は台湾人の体形と生活習慣に合っておらず、今後も台湾人の体にふさわしい家具の導入を進めるとしている。
台北敦化店は店舗面積は380坪と広くはないものの、日本で販売される商品との「時差ゼロ」を消費者にアピールしていく。開店記念セールとして4月5日まで、1,000台湾元(約2,900円)の消費に対し100元の割引券をプレゼントするほか、原価2万9,900元の3人掛けソファーを1万9,900元で販売するなど一部商品で特売も行う。
長期的取り組みを強調
台湾の家具・日用品市場は、他の小売分野と比べて厳しいことで知られる。HOLA和楽家居館はオープン当初、毎年1億元の赤字を計上し、ようやく黒字転換を遂げたのは3年後だった。IKEAは台湾進出10年以上がたち、現在4店舗を展開するものの、依然投資額を回収できていない。
似鳥社長は「台湾で利益を上げるには少なくとも15店以上の展開が必要で、5~10年の時間がかかる」と語り、長期的に取り組む姿勢を示した。
また、台湾では70~80店の展開が可能と見ている。今年は4月に高雄市三民区の大楽購物中心(ダラーズ)に進出した後、秋にはさらに2店を出店する。
23年連続で売上・計上利益過去最高
ニトリは1972年の創業で、日本全国に215店を展開。ベトナム、中国、日本に生産拠点を置き、原料調達から製造、輸出入、物流、末端の小売りまですべて自社で手掛ける経営モデルを採っている。価格競争力を武器に、2009年は2,850億円の売上高を上げ、23年連続で売上高と計上利益の過去最高更新を続ける優良企業だ。
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