中華航空(チャイナエアライン)の台北発那覇行きのCI120便(737─800型機)が日本時間の午前10時半頃、那覇国際空港に到着後、右側エンジンが爆発し炎上した。乗客乗員の165人は全員無事だった。同機は就航わずか5年と比較的新しく、なぜ爆発事故に至ったのか、整備のあり方を含めて原因の究明が待たれる。
激しく黒煙を上げながら燃える中華航空ボーイング737旅客機。メディアも一斉に速報し、緊迫したようすで現場の状況を伝えた。
(年代新聞台の映像より)
台湾各メディアの報道によると、同機は台湾時間の午前8時15分に桃園国際空港発、午前10時27分頃に那覇に到着。管制官の指示を受けて10時34分に41番駐機場に到着直後、エンジンから煙が出たためシューターを使って乗客を脱出させたが、1分後に爆発し炎上。爆発音は最低でも2回、大きな音が響いたもようだ。
同空港の消防は直ちに消火活動を開始し、約1時間後に火を消し止めた。機体は火に包まれたことにより、中央付近で2つに折れ、屋根の部分はほぼ消失した。乗客の荷物はすべて焼けたという。
同機の乗客はほとんどがツアーに向かう台湾の観光客で、日本人も18人搭乗していた。中華航空は20日午後6時半現地着のCI122便で旅行者の家族の現地入りに便宜を図る。
飛行中に異常なにおい
東森テレビ電子版が乗客の話として伝えたところによると、同機は着陸15分前に機長が異常を感じて乗客にアナウンス。同時に機内に煙のにおいが立ちこめて、客室乗務員が「すぐに到着しますので、落ち着いて下さい」と乗客に呼び掛けた。
今回の事故は、爆発のタイミングがもう少し早ければ、大惨事になっていたところだった。交通部民用航空局によると、事故原因の調査は、日本の国土交通省の航空事故調査委員会が当たる見通しで、台湾側は必要な協力を行っていくとした。民航局はまた、直ちに域内の同型機の緊急点検を、各航空会社に指示した。
危険なイメージ呼び戻す
今後は事故原因の究明が焦点になるが、なぜ就航5年の機体でこのような事故が起きたのか、普段の整備体制に問題はなかったのかが問われそうだ。
中華航空の国際線での事故は、2002年5月に台北発香港行の便が台湾海峡の澎湖島上空付近で突如空中分解し、乗客乗員225人が犠牲になった惨事以来。それ以前は頻繁に大規模な事故を起こしており、今回は「世界でも指折りの危険な航空会社」というイメージを再び呼び戻す結果となってしまった。