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駐車スペースが足りない!台北市民は連日悪戦苦闘


ニュース 社会 作成日:2010年4月14日_記事番号:T00022083

駐車スペースが足りない!台北市民は連日悪戦苦闘

 
 台北市主計処が先週発表した「2008年自家用車使用状況調査報告」で、市内の駐車スペース不足が深刻な状況になっていることが明らかになった。台北市民は自家用車の駐車スペースを探すため、出勤の際に勤務先付近で平均11分、帰宅の際には自宅付近で16分もの時間を費やしているという。

 同市停車管理処によると、台北市に登録されている乗用車の数は約70万台。一方、道路脇に設けられている公共駐車スペースは83万台分で、データ上は十分のはず。ところが、これに隣近県市から台北市内へ通勤する人の車が加わるため、駐車スペースが足りなくなってしまうという。

 羅孝賢交通局長によると、市内の駐車スペースが不足するようになったのは、台湾経済が好景気に沸いた91年に自動車購入者が急増したことに端を発する。当時、内政部営建署は改善策として「不特定」の人に駐車スペースを提供するビルには、容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)の制限を緩和する制度を実施した。

 ところが同制度の「不特定」の定義にはビルの住民も含まれることから、容積率優遇を受けた不動産業者は、ビル住民に対する駐車スペース販売を続け、安全を理由に外部の車を締め出した。そのため、制度はなし崩しとなり、今日の状況を招いたというわけだ。

 市内で道路脇の駐車スペースを確保するのは至難の業。かといって民間駐車場は1時間100元以上もする。こうした現状を受け停車管理処は駐車スペース不足を少しでも改善しようと、「月票」と呼ばれる定期券制度を打ち出している。夜間になると余るオフィス周辺の駐車スペースを低価格で提供するもので、例えば台北市政府前の駐車場の場合、日中利用する場合は1時間30元だが、夜間(午後8時~翌朝8時)だと1カ月定期でわずか2,000元と非常に安い。

 一方、最近台北市からの人口流入が増える台北県では、ラッシュアワー時でも駐車率は平均9割以下、その他の時間帯では3割と、連日駐車スペースの確保に悪戦苦闘しなければならない台北市とは対照的だ。同県では台北市の二の舞にならぬよう、民間業者に駐車場設置を奨励する計画だ。