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TSMCが20ナノ開発へ、微細化で世界一


ニュース 電子 作成日:2010年4月15日_記事番号:T00022142

TSMCが20ナノ開発へ、微細化で世界一

 
 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が13日、20ナノメートル製造プロセスを2012年に導入、13年に製品を量産する目標を明らかにした。実現すれば半導体回路線幅の微細化競争で、米インテルを初めて抜いて世界首位となる。15日付経済日報などが報じた。
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 これはTSMCの蒋尚義・研究発展資深副総経理が13日、米サンノゼで開かれた同社の技術シンポジウムで明らかにしたもの。

 22ナノを飛び越して20ナノの開発に取り組む理由として、蒋副総経理は、20ナノの方がゲート密度とコスト比でのチップ機能に優れ、特にゲート密度は28ナノの2倍に上ると指摘した。

 製造プロセスの微細化では、従来インテルが一貫して優位にあり、昨年に32ナノを量産、11年末には22ナノ製品を出荷する。TSMCは20ナノに取り組むことで、インテルから首位の座を争う構えだ。

開発競争から脱落せず

 同シンポジウムには張忠謀董事長も出席し、「将来は14ナノも生産される。10ナノになるとわたしのキャリアのうちには現れないかもしれないが、TSMCは全力で作り続ける」と述べ、先端プロセスの開発競争から脱落することはないとの考えを表明した。

 TSMCは08年5月、12年に18インチウエハー導入を目標とするという声明を、インテル、サムスン電子と共同で発表している。TSMCの20ナノ製品が18インチ工場で生産されるのか注目されるが、TSMCは「業界全体の状況による」との見解だ。設備メーカーは、20ナノ製品が量産となれば18インチの需要も生まれ、設備業界にとって新たな商機となると期待している。

半導体業界、今年と来年は順調

 張董事長はシンポジウムで業界景気の見通しも明らかにした。今年は世界全体の生産額が前年比22%増の2,760億米ドルに達し、来年は比較対象となる今年の数値が高いため成長率は7%に落ち込むものの、今年と来年は順調な成長を遂げるとの見方を示した。

 なお、11年から14年にかけては複合成長率4.2%、ファブレスのIC設計メーカーは複合成長率7.2%となり、成長力が緩和するとの予測を示した。

 この理由について張董事長は、電子製品の価格下落、電子製品内部での非半導体部品の増加によるICの貢献度低下、業界が「成長のS字カーブ」の安定を示す後半部分に入っていること、および「半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する」というムーアの法則が最終段階に来ていることを挙げた。

【表】