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作成日:2010年4月16日_記事番号:T00022144
MRTでの水飲み禁止、立法委員が解禁要求

台北市および高雄市の都市交通システム(MRT)車内では、水を飲むことが禁止されているのをご存じだろうか?亜熱帯の台湾に住む人々にとって、水分補給は重要な関心事。このMRTでの飲水禁止の是非をめぐり、立法院で論争が巻き起こっている。
目下、台湾鉄路(台鉄)や台湾高速鉄路(高鉄)、民間航空機においては、車内(機内)で水を飲むことができる。ところが、MRTだけは「大衆捷運法」第50条の規定により、水を飲むことが禁じられているのだ。
国民党の趙麗雲立法委員や民進党の葉宜津立委ら解禁派は「MRTだけが水を飲むことを禁止しているのは情理に合わない」「のどが渇いても水が飲めないというのは、健康に悪い」と主張。水以外の飲み物を飲む乗客が現れる可能性があるからといって、乗客の「水を飲む権利」を奪ってはならない、として大衆捷運法の改正案を提出した。
これに対し、交通部は現状維持を主張。「米酒やコーリャン酒などは無色透明で水と酷似しており判別が困難なことや、MRTでの移動は大半が1時間以内の短距離なので、水が飲めないことの影響は小さい」というのがその理由だ。
本来、飲食禁止は、食べ物でネズミなどが住みつきケーブルをかじるのを防ぐなど安全上の理由からだが、MRTが清潔なのは飲食を禁止していることが大きく関係しているという。確かに、飲水を解禁して識別の難しい他の飲料を飲む人が増えた場合、清掃費などコスト増を招くことにもなる。
なお、これまでにMRTで乗客が生理的な要求から水を飲み、罰せられたケースはないとか。確かに、のどがカラカラな人に「水を飲むな」というのも酷なことではある。臨機応変な対応が必要ではないだろうか。