ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

鴻海がBRICSに全展開、露でHPとPC生産


ニュース 電子 作成日:2007年8月21日_記事番号:T00002221

鴻海がBRICSに全展開、露でHPとPC生産

 
 鴻海精密工業は20日、米ヒューレット・パッカード(HP)と合弁で、ロシア・サンクトペテルブルクにパソコン(PC)と液晶モニターの生産工場を設置することを明らかにした。投資額は5,000万米ドルで、12カ月後の量産開始を予定している。鴻海はこの投資によって、成長著しいBRICS全4カ国に進出することになる。21日付経済日報が報じた。


 ブラジル、ロシア、インド、中国の「BRICS」4カ国の2006年の平均経済成長率は8.3%、人口も多く著しい経済発展が期待できる国々として注目を集めている。PCなどIT(情報技術)製品も成長率が高く、世界の大手メーカーが市場開拓を競っている。鴻海はそうしたメーカーに協力すべく現地での工場設置を進めてきており、今回のロシア進出も同じ文脈でとらえられる。
T000022211


 サンクトペテルブルク経済発展・工業政策・貿易委員会は20日、鴻海の幹部が現在12~15ヘクタールの工場用地を視察中だと語った。同工場用地は住宅地に近く交通が便利で、工場の敷地面積は6万平方メートルが見込めるという。

緊密な戦略パートナーに

 HPは出荷台数で4四半期連続でデルを上回る世界最大のPCメーカーで、鴻海の重要顧客の1社だ。鴻海はこれまでも、HPの求めに応じてインドとオーストラリアの工場2カ所を借り受けて、HPのPC組み立てを行っている。今回ロシアへの合弁投資が実現すれば、両社の関係は長期的な戦略パートナーへとさらに緊密化することになる。

 HPの今年の台湾メーカーからの予想調達額は8,000億台湾元(約2兆7,000億円)で、鴻海のほか、華碩電脳(ASUS)もデスクトップ型PCの主力OEM(相手先ブランドによる生産)メーカーとなっている。また、精英電脳(ECS)、緯創資通(ウィストロン)、神達電脳(マイタック・インターナショナル)もHPから発注を受けている。HPと鴻海の関係がさらに深まることによって、これらのメーカーとの取引に影響が出ないかも注目される。

 なお、HPのデスクトップPCの今年の販売台数は全世界で2,500万台を超える見通しで、OEMのビジネスチャンスは5,000億元に上る。