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作成日:2007年8月22日_記事番号:T00002224
高雄銀行の職位あっせん献金疑惑、拘置請求を却下
謝長廷前高雄市長と密接な関係にある高雄発展聯誼会の徐政朝会長が、高雄銀行の役員や上級幹部の職位をあっせんすると持ち掛け、謝氏への政治献金を求めたとされる疑惑で、高雄地裁は21日、最高検特別偵査組(特捜部)から出されていた徐会長ら2人の拘置請求を却下した。検察は謝氏からの事情聴取も視野に入れ、捜査を進めてきたが、仕切り直しを余儀なくされた。21日の中国ラジオが報じた。
高雄地裁は「職位が献金の代価に当たるのかなど、容疑事実を証明するに足りる証拠がなく、証拠隠滅の恐れもない」として、拘置申請を却下した。
これまでの調べで、検察は徐会長が2002年から03年にかけ、高雄銀の職位と引き換えに1口100万台湾元(約345万円)の政治献金を集め、献金者が実際に職位を得ていたケースを把握しているもようだ。同時期は謝氏が高雄市長が2選目を目指していた時期と重なる。
検察は、徐会長が政治献金を募集する際、「謝市長の意思だ」などと持ち掛け、先に対象となる職位について詰めた後、献金を受け取っていたとの証言を確保している。検察は職位と引き換えの政治献金には違法性があると判断し、徐会長が集めた政治献金2095万元は不当利得に当たる疑いがあるとしていた。
総統選挙への司法介入を批判
なお、謝長廷氏の競選総部(選挙対策本部)の、李応元執行総幹事は21日、「一部の検察官が過去の事件に手を突っ込んでいる」と、総統選挙への司法介入が行われている疑いが極めて強いと表明。高雄MRT事件を捜査した呉文忠検察官を直接名指しして、「7月16日の段階で国民党幹部に対し、『政治献金事件』の脚本を打ち明けていた」と非難した。22日付中国時報によると、この国民党幹部は王金平副主席(立法院長)のみられる。
これに対し呉検察官は、「検察官は事件捜査を証拠の取捨選択があるのみ。謝陣営はあまり常識から外れた言動はするな」と語り、国民党と結託しての司法介入という批判を一蹴した。