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作成日:2010年4月22日_記事番号:T00022259
広告で外が見えない!ラッピングバスで乗り過ごしも

広告業者にとってバスは、宣伝効果が高くて便利な「移動する広告塔」だ。近年、台北市内を走る市バスでは、非常に目立つラッピング広告が急増しており、「移動するアート」とも呼ばれるほど、昨年は約3,000件のバス広告が掲載され、市民の目を楽しませた。
さらに近年では広告面積が拡大し、車窓部分にまで及ぶようになっている。まるでバス全体が広告で覆われている感があり、非常にインパクトが強い。
しかし、業界用語で「破格(枠を超える)」と呼ばれるこの窓部分にまでまたがる広告は、車内の乗客にとっては迷惑千万なようだ。広告が邪魔をして車外の景色が見にくくなることから、バス亭が見えずに乗り過ごしてしまう乗客が増えるという。
車窓にかかる部分の広告は、透視できる素材を用いるよう規定されており、例えば透明なカラーフィルムやスクリーントーンを採用しなければならない。さらに、片側の車体一面当たり最低2カ所(バス1台当たり計4カ所)の窓は、広告で覆うことが禁じられている。しかし、規定通りの素材が使われたとしても、特に雨の日などは視界が悪くなりあ、バスが走っている場所を見失いやすくなるようだ。
車体広告の車窓部分への「侵出」が解禁されたのは、2002年のこと。広告面積が拡大し、宣伝効果が高いことから、あっという間に広がった。広告業者にとっても「破格」は稼ぎ頭。一般に人気路線の場合、車体広告の製作費は約3,000元、広告掲載料は毎月6,000~8,000元だが、「破格」がある場合は、窓1カ所につきプラス2,000元となる。バスの片側車体一面に窓が6カ所ある場合、4カ所の窓で「破格」が可能となり、バス1台当たり月に1万6,000元もの増収に。うれしさも「破格」だろう。