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炎上の中華航空機、パイロンから燃料漏れ


ニュース 運輸 作成日:2007年8月22日_記事番号:T00002229

炎上の中華航空機、パイロンから燃料漏れ

 
 那覇空港で起きた中華航空機の爆発炎上事故で、事故機の右側主翼と右エンジンの接合部(パイロン)付近から大量の燃料が漏れていたことが、日本の国土交通省の調べで21日、明らかになった。

 日本国内の報道を総合すると、燃料漏れを発見したのは地上の整備士で、同省航空・鉄道事故調査委員会の事情聴取に対し、「右エンジン外側の主翼下」から燃料が漏れていたと証言したという。この部分はちょうどパイロンに当たり、主翼内部にある燃料タンクからエンジンに燃料を送る太いパイプが通っている。
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中華航空事故機の残骸。マイナスイメージを恐れてか、21日に尾翼の梅の花マークや胴体の「CHINA AIRLINES」のロゴが、白いペンキで塗りつぶされた(21日=中央社)

 事故調は同日、ボイスレコーダー(音声記録装置)を回収しており、実況見分の結果も踏まえ、機長の判断に問題がなかったかなどについても分析を進める。

 国土交通省は台湾当局に対し、近く窓口機関の交流協会を通じ、航空機の安全確保に向けた航空会社への指導強化するよう求める方針を固めた。

 一方、桃園国際空港では同日夜、事故機の猶建国機長らが記者会見を行った。日本側での事情聴取を終えて台湾に戻った猶機長は、事故当時の状況について、「事故の瞬間は記憶がぽっかり抜けているようで、当時の心情を詳しく話すのは難しい。乗組員が無事地上に脱出したのを見届けてから、本来は左側の窓から飛び降りようとしたが、煙が激しかったため、右側から飛び降りた。今言えることは皆が幸運だったということだけだ」などと述べた。

 会社側は乗客が全員無事で脱出できたことについて、乗組員を「優秀で勇敢だった」と称え、事故直後の対応も適切だったと強調した。

 同社は当初、事故原因について会見するとしていたが、行政院飛航安全委員会から調査中の内容について公表しないよう指導を受けたため、会見は15分間ほどで打ち切られた。

今月初めにセンサー故障

 今回の爆発炎上事故で、交通部民用航空局は21日、事故機が今月初めに2日連続で翼の外縁部に揚力を調整するために取り付けられているフラップのセンサーが故障していたことを明らかにした。ただ、センサーは燃料系統と関係ないため、同局は爆発事故に直接の関連性はないと説明している。中央社電が伝えた。

 説明によると、事故機は今月4日に札幌を出発し、高雄空港に向け着陸態勢に入ったところ、前縁フラップの警告灯が点灯したため、機長は着陸のやり直しを決定。安全確認の後、無事に着陸した。高雄空港では速やかに修理が行われた。

 しかし、翌5日にチェンマイを出発し、高雄空港に接近した際に同様の故障が発生し、安全確認後に着陸していた。着陸後に再度修理が行われ、その後は正常に作動していたという。