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デイリーマンションが急増、新たな治安問題に


ニュース 社会 作成日:2010年4月27日_記事番号:T00022346

デイリーマンションが急増、新たな治安問題に

 
 「日租屋」というのは、1日から1週間の短期間だけ部屋を貸すデイリーマンションのこと。ホテルよりも安く人気があるが、個人情報を登録せず宿泊できる手軽さが犯罪の温床となっており、他のマンション住民とのトラブルも絶えないようだ。

 高雄市立美術館そばに位置する波堤大楼は、目下168戸のうち4戸が、同一業者の経営によるデイリーマンション「旅人家」として利用されている。ネットで予約でき、宿泊費は1泊1,800~2,500元。利用者の大半が観光客だ。

 デイリーマンションの利用客は、オートロックを解除するチップも貸し出されるため自由にマンションや地下駐車場へ出入りでき、ロビーをホテルのカウンター代わりに利用。マンションの至る所で記念撮影をしたり、徹夜で大騒ぎすることもしょっちゅうで、マンションの住民は安全で静かな生活が脅かされる事態に。

 デイリーマンションの経営者は、利用客の身分を「遠来の友人」と称するため、マンション管理委員会としても立ち入りを拒否したり、身分証を登録させることができない。そこで住民らは店舗以外の住民が営業行為を行うことを禁じる管理規則を決議したが、経営者はこれに対し「1カ月や1年契約の賃貸は問題ないのに1日契約はなぜだめなのか」と、裁判所に決議無効を訴えたという。

 たまりかねた波堤大楼の住民は25日、政府に対しデイリーマンション管理法を早急に制定し、治安の悪化を防ぐよう要求した。

 実際、台中市のデイリーマンションでは先ごろ、薬物パーティーを開いていた男女6人が逮捕され、アンフェタミンやケタミンが押収されている。

 旅館でも民宿でもなく業者としての登記が不要で、目立たないデイリーマンションは、薬物売買や売春の温床になっているのは明らか。販売率が低く、空室が多いマンションを狙って部屋を購入し、デイリーマンションを営業する業者も増えているとか。新たな治安の死角を作らぬよう、政府の早急な対応が望まれるところだ。