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作成日:2010年4月29日_記事番号:T00022406
図書館でも中台交流活発化、増える簡体字書籍

中台交流の活発化に伴い、図書館にも簡体字ブームの風が吹き始めている。台北や宜蘭などの図書館では近年、中国が強みを持つ文学や演劇、芸術などのジャンルの書籍が急増している。
台北市立図書館によると、05年に中国から購入した簡体字書籍はわずか224冊(購入経費は3,000元)。その後も購入は増えず、06年は5冊(765元)、07年は90冊(4,400元)だった。
ところが、08年になって簡体字書籍の購入は一挙に538冊(3万7,000元)と急増。09年は中国との児童文学の交流があり、初めて特別プロジェクトとして中国を代表する児童書など1,652冊(4万2,000元)が購入された。
市立図書館が毎年購入する図書は、中国語書籍が64%、外国語書籍が17%、その他は児童書や参考書類。05年に0.01%だった中国語書籍購入額全体に占める簡体字書籍の割合は、09年には0.09%へと9倍に増加している。簡体字書籍の購入が急増したのはここ2年、ちょうど国民党の馬英九政権が発足した08年からのことだ。
一方、台北県立図書館所蔵の簡体字書籍は、文学を中心に目下約100冊余り。于館長は、「簡体字書籍は質の良いものを選べば、読書の幅を広げることができる」としており、今後は読者や学界の意見も参考にし、特別プロジェクトとして簡体字書籍を購入する方針だという。
宜蘭県立文化センターでは、蔵書24万冊のうち、簡体字書籍は演劇や芸術分野の図書を中心に約1,086冊。簡体字書籍はまだ繁体字版が出ていないか、または読者の要望により購入したものだとか。黄文玉宜蘭県政府文化局図書情報科長は、「学術交流の意味からも、簡体字書籍を特別に禁止する必要はない」との見解だ。
目下、簡体字書籍の需要がどれほどあるのかは予測できないが、中台緊密化が今後も進むとみられる中、増加することはあっても減ることはないだろう。