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台プラ、福建に大型ステンレス工場


ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2007年8月22日_記事番号:T00002246

台プラ、福建に大型ステンレス工場

 
 台湾プラスチック・グループが、中国・福建省ショウ州(ショウはさんずいに章)に年産能力75万トンの一貫大型ステンレス工場の設置を計画している。投資額320億台湾元(約1,100億円)で、早ければ3年後に量産を開始する。台プラは雲林県でも大型製鉄所を計画しており、台湾では炭素鋼、中国ではステンレス鋼と補完体制を、鉄鋼分野でも地域の有力企業として成長を目指すとみられる。22日付経済日報が報じた。

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 業界関係者によると、同投資はもともとステンレス大手の千興不銹鋼(CSSSC)が計画していたものだ。数年前に千興の大株主が、個人名義でタックスヘイブンのサモアに「天龍公司」を設置し、同社の名義でショウ州に投資を行おうとした。しかし、千興はその後ベトナム南部のバリアブンタウ省でのステンレス工場設置を決定。このため関係者がショウ州に発電所を設けている台プラに接触して投資を打診したところ台プラが興味を示し、そのまま天龍の名義による投資を引き継ぐことになった。

 業界関係者からは、「設計段階で年産75万トンは、燁聯鋼鉄(YUSCO)と同等で、燁聯が実質的に年産100万トンの能力を持つ以上、台プラのショウ州工場は確実に100万トン以上を生産できる、世界一流の生産拠点にランクインする」という見方が出ている。すでに複数の海外大手の設備メーカーが、入札の案内を受け取っており、計画の信憑性を裏付けている。

ライバルメーカーは警戒
 
 台プラのステンレス分野参入によって、市場競争の激化が予想され、台湾の同業者の間に緊張が走っている。台プラは今年上半期、ステンレス最大手、義聯集団(Eユナイテッド・グループ)の広州聯衆ステンレス工場を見学。この際義聯側の歓迎を受けたが、台プラの市場への参入を後に知った義聯の幹部らは憤慨しているという。

 また、燁聯の林義守董事長は、台プラの計画を聞きつけ、このほど台プラ側に「ヘッドハンティングはしないように」というメッセージを伝えた。

 経済日報は、台プラのステンレス参入の意義として、「大型製鉄所をベトナムで建設することを決めた義聯とともに、中国鋼鉄のトップの地位に挑戦することになる。台湾鉄鋼業界は3強による、新たな合従連衡の時代を迎える」と伝えた。

 なお、台プラ側ではこの投資計画を否定しているが、経済日報は「否定は毎度のこと」と報じた。