45ナノメートル製造プロセスへの移行を進めるエルピーダメモリ傘下のDRAMメーカー、瑞晶電子(レックスチップ・エレクトロニクス)で、液浸スキャナーの納入が2~3カ月遅れ、移行完了が2011年第1四半期にずれ込む見通しとなっている。40ナノ世代プロセスはサムスン電子が大きく先行している状況で、台湾や日米大手は来年にようやく同レベルに到達できる見通しだ。12日付電子時報が報じた。
陳正坤・レックスチップ総経理によると、液浸スキャナーの調達遅延は、台湾、日米のあらゆるDRAMメーカーが直面する問題となっている。台湾のDRAMメーカーが財務問題に苦しむ中、サムスンは09年初頭段階で装置購入の検討を開始。また、東芝、台湾積体電路製造(TSMC)などの大手半導体メーカーも50ナノ以下のプロセスで同装置を必要としていることが要因となっているもようだ。
暫定措置、すべて63ナノに
レックスチップは本来、12インチウエハー工場の生産能力(ウエハー投入枚数、月8万枚)で、65ナノプロセスから一部を63ナノに、その他を直接45ナノに転換し、その後今年末までにすべて45ナノへと移行する計画を立てていた。
しかし計画の遅れを受け、下半期に見込まれるパソコンのハイシーズンに間に合うよう、いったんすべて63ナノに転換し、その後段階的に45ナノへの転換を進めることを決めた。
陳総経理によると、63ナノプロセスによる量産は既に着手しており、6月に生産量の30%、7月には100%を同プロセスが占める見通しだという。また45ナノプロセスに必要な液浸スキャナーは9月までに5~6台を確保でき、それ以降は45ナノへの移行が加速すると説明した。
このほか、レックスチップに出資する力晶半導体(PSC)も下半期から45ナノプロセスへの移行を開始する計画だが、量産開始時期はレックスチップより3カ月ほど遅くなる見通しだ。
南亜・イノテラは計画変更せず
なお、米マイクロン・テクノロジーと技術提携する南亜科技、および華亜科技(イノテラ・メモリーズ)は、下半期に42ナノプロセスでの量産を開始する計画を依然変更していない。ただイノテラについてはこのほど、プロセス移行の遅延からマイクロン派遣の執行副総経理が更迭されたとの観測も出ている。
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