行政院主計処は20日、今年の経済成長率予測値を過去6年で最高の6.14%に上方修正した。第1四半期の速報値が過去31年で最高の13.27%と、2月予測の9.24%を大きく上回ったことが根拠だ。石素梅主計処長は第1四半期の大幅成長について、好調な輸出が民間投資拡大と在庫積み上げを促したことが主因との分析を示した。21日付経済日報が報じた。
主計処は第2~4四半期の経済成長率予測値も順に、▽7.66%(従来予測6.05%)▽4.40%(同3.95%)▽0.69%(0.66%)──へ上方修正した。蔡鴻坤・主計処第三局長は、第2~4四半期の修正幅は小さく、第1四半期の速報値だけで、通年予測値の上方修正分の大きな部分をまかなった」と指摘した。
第1四半期の経済指標のうち、民間投資の伸び率は37.11%と、過去35年で最高だった。石主計処長は、海外の半導体メーカーが生産ラインの一部を閉鎖して台湾メーカーに発注したことや、新興市場の需要拡大を受け、ハイテクメーカーが設備の拡充や製造工程の改善を加速したためと説明した。在庫も427億台湾元(約1,200億円)と、従来予測より289億元多く、同期経済成長率への貢献度は5.14%に達した。在庫増は、受注が殺到したメーカーが急きょ在庫を補充したためと分析した。
主計処の通年予測は、輸出総額の伸び率が24.47%で、金融危機発生前の水準まで回復。民間投資も18.38%と2けた成長を取り戻す。一方、労働環境や所得水準は理想的といえず、個人消費の伸び率は1.99%にとどまる見通しだ。
劉憶如・新経建会主任委員は、「経済成長でシンガポールを抜き、韓国、香港を合わせた4カ国・地域でトップに立つ」と所信を表明した(20日=中央社)
失業率は依然課題
台湾では近年、経済成長率が住民の実感と乖離(かいり)している状態で、「給与はなぜ経済成長とともに増えないのか」「労働者は経済成長の恩恵を受けられないのか」といった議論が吹き出している。
行政院経済建設委員会(経建会)主任委員に20日就任した劉憶如氏は、経済成長と同時に、所得の分配と就業機会の創出も重視すべきとの認識を示した。
馬英九総統が2年前の総統選で掲げた「633公約(経済成長率6%、1人当たりの国民所得3万米ドル、失業率3%以下)」のうち、経済成長率は昨年の不景気からの反動を最大要因に達成の可能性が生まれているものの、残り2項目、特に失業率は大きな課題として残ったままだ。
【図】