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作成日:2007年8月27日_記事番号:T00002300
伝統の紅葉チームが選手不足、少年野球大会を不参加
台東県体育発展基金会などが主催する野球のリトルリーグ大会、「紅葉杯」が25日同地で開かれた。大会は今年で3年目を迎え、日本のリトルリーグ関西連盟所属チームを含む24チームが参加したが、大会の名称にもなっている、かつて台湾少年野球の象徴的存在だった地元の「紅葉少棒隊」は選手不足で不参加となり、時代の移り変わりを感じさせた。選手たちは代わりに開会式で野球をテーテーマにしたブヌン族の踊りを披露して、参加者たちを歓迎した。
紅葉少棒隊は1968年、世界選手権優勝チームの和歌山リトルを台北球場で7対0で敗り、これが国際情勢の悪化で閉塞感が高まっていた当時の台湾住民の自信回復に大いに貢献した。翌69年は後に中日ドラゴンズでリリーフエースとして活躍する郭源治を擁するリトル代表チームが極東大会で優勝し、野球ブームに火がついた。台湾では歴史的な経緯から野球は住民感情を一つにする特別なスポーツで、紅葉少棒隊の勝利はその先鞭をつけた歴史的偉業として語り継がれており、500元札の表のデザインも少年たちが勝利を喜ぶシーンが採用されている。
しかし今、紅葉国小(国民小学校)の教務主任によると、台東では就業の機会がなく、若い親たちはみな子供を連れて都会へ出て行くため、生徒数が激減。とても野球チームが組める状態にはなく、今大会の参加を断念したという。
2005年に和歌山リトルを6対3で敗った紅葉聯隊にしても、台東の各小学校から優秀な選手を集めて結成したチームで、そのうち紅葉国小の出身者はわずか2人。生徒不足、選手不足が慢性化している。