台中市で5月28日夕方に暴力団幹部の翁奇楠氏が射殺された事件で、犯行当時、警察官4人が現場に居合わせ、接待を受けていた事実が1日までに明らかになり、警察と暴力団が癒着関係にあったのではないかと非難を浴びている。2日付中国時報が伝えた。
事件当時現場に居合わせた元警察官の陳文雄氏は2日、暴力団による会社の株主になったり給与を受け取ったことはないとシロを強調した(2日=中央社)
証言によると、射殺事件現場には警察官4人と元警察官1人がおり、うち3人が茶の接待を受けていた。接待を受けていたのは、台中市警察局の刑事大隊偵三隊(第3捜査隊)長、交通隊長、今年3月に退職した元少年隊副隊長の3人で、このほか現職警官2人が室外でテレビを見ていたという。室外にいた警官1人は流れ弾で負傷した。銃撃事件は約1分半の犯行で、警官らはその間床に伏せていたが、事件後は警察や救急が到着する前に姿を消したという。問題の警官らがマージャンをしていたとの情報もある。
治安悪化で対策を強化したばかりの胡志強台中市長は「一発撃たれた後、もう一発見舞われた気分だ」と述べ、ショックを隠せない表情だ。
台中市議会議員からは「台中は黒と白(暴力団と堅気)が共同統治する都市なのか」などと批判が相次いだ。胡市長は「もし幹部警察官が関与していた場合は、自分と市警察局長はクビも覚悟しなければならないのではないか」と述べ、責任問題に発展することは避けられないとの認識を示した。銃撃事件の捜査は、現役警官の癒着疑惑浮上で序盤から大きくつまずいた格好だ。