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作成日:2010年6月2日_記事番号:T00023119
ECFA交渉、前文と金融市場開放で対立
中台間の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)締結交渉は、協定文書の前文の表現をめぐり主張に隔たりがあるほか、金融市場開放に関しても対立点が残されており、交渉が難航しているもようだ。2日付工商時報が北京の消息筋の話として伝えた。
中台は6月末までにECFA署名にこぎ着けるため交渉を重ねているが、対立点は解消されていない。中国側は前文に「両岸の経済貿易関係正常化」という文言を盛り込むことを強硬に主張しており、政治的表現を避けたい台湾との間で主張にずれがある。
また、金融市場開放をめぐっては、中国側が対等な待遇を求めている。台湾側は台湾の金融機関が支店昇格後3年を待たず、中国で人民元業務に参入することを認めるよう要求。これに対し、中国側も中国の金融機関が台湾で台湾元業務への参入することを求めている。しかし、行政院金融監督管理委員会(金管会)が難色を示していることから、中国は不公平感を強めている。
ECFAは一般的な自由貿易協定(FTA)のように包括合意が条件となっていない。このため、今後は一部の対立点を棚上げしたまま、6月末までという交渉期限までに暫定合意を目指すのか、さらに交渉を継続するのかという選択を迫られる局面も予想される。