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台北市の街頭監視カメラ、3千台が飾り物状態


ニュース 社会 作成日:2010年6月3日_記事番号:T00023144

台北市の街頭監視カメラ、3千台が飾り物状態

 
 台北市新生南路二段で4月上旬、金華国民中学の女性教師が死亡する交通事故が起きた。事故の経緯を詳しく把握するために現場付近に設置されたばかりの新しい監視カメラの映像を調べようとしたところ、何も映っていなかった。こうした「飾り物」監視カメラは現在市内全域で3,000台に上る。

 台北市は犯罪根絶を目指して、予算16億台湾元で計1万3,699台の監視カメラを来年1月までに市内各地に設置する計画を進めている。既に設置されたカメラは8,000台に上るが、正常に作動しているのは5,000台にすぎない。

 こうした状況は、台湾電力によるテスト作業が済んでおらず、電気がまだ通っていないことが原因だ。この問題を指摘した徐佳青・台北市議(民進党)によると、金華国小教師の死亡事故以外にも5月に中正区で起きた婦女暴行未遂事件、台北医学大学の同窓会長が派出所付近で強盗に遭った事件、福華大飯店の前で救急車が市民に接触した事故でも、いずれも監視カメラが機能しなかったという。

 「飾り物」批判に台北市警察局の張久宜・犯罪予防科警務正は「できる限り早く電気を通すよう台湾電力にお願いしたい」と弁明した。台電との契約では「来年1月4日までに設置完了」とのみ明記されており、通電の時期については命令できず、いつ作動するのか警察にも正確に分からないそうだ。

 監視カメラにはプライバシー侵害の議論もあるが、高雄市も今月末までに1万1,444台を設置する計画であるなど各地で整備が進んでいる。台北市の場合、しばらくは泥棒がその前を素通りしても全く役に立たない状態が続くもようだ。