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作成日:2010年6月4日_記事番号:T00023193
「受託業者の中国内陸進出が加速」、富士康賃上げにインベンテック
鴻海科技集団(フォックスコン)傘下で、従業員の相次ぐ自殺が問題となっている富士康国際(FIH)が3割賃上げを行ったことについて、ノートパソコン受託生産大手、英業達(インベンテック)の李詩欽董事長は3日、「沿海部の労働者不足と合わせ、受託メーカーの内陸部進出を加速させる」と指摘した。4日付工商時報が伝えた。
インベンテックにとって上海に次ぐ中国2カ所目の生産拠点、重慶工場は11月に量産開始予定だが、既に関連部品メーカー108社が視察に訪れ、進出条件の検討などを行っているという。李董事長は、筐体(きょうたい)や電池、金属部品などの輸送コストの高い製品のメーカーから進出を促したいと語った。
業界関係者によると、沿海地区の平均基本月給1,100~1,200人民元(約1万5,000~1万6,000円)に対し、重慶では同700人民元。なお李董事長は、インベンテックの上海生産拠点では、もともと給与水準が高いため、当面は給与引き上げを行わない考えを示した。
また李董事長によると、鴻海精密工業および広達電脳(クアンタ・コンピュータ)も重慶での展開を加速させており、同市で急速に関連産業の集積が進む見通しだ。