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作成日:2010年6月8日_記事番号:T00023233
好評のホームレス弁当店、従業員管理が頭痛の種
「遊民(ホームレス)」の就業支援は、自治体の社会福祉部門にとって頭の痛い問題だが、台北県のホームレス自立支援機関「台北県遊民重建中心」はこのほど、板橋市漢生西路に台湾全土で初めて、ホームレスの人たちによる弁当店「優遊便当城」をオープンし、好評を博している。
店内では4人の従業員が来店客に終始笑みを絶やさず、調理や弁当の準備とてきぱき仕事をこなしている。この人たちが半年前まで社会から隔絶され、一日中酒びたりの生活を送っていたとはとても想像できないほどだ。
弁当1個50台湾元という安値戦略が奏功して1日300個を売り上げ、早くもほぼ収支均衡を達成するなど同店は好調な滑り出しを見せている。しかし、せっかく働き口を提供しても長続きしないなど、従業員の管理が非常に難しいのが実情だという。
最大の問題はホームレスの勤労意欲が低いこと。開店当時の従業員は姿を消し、開店3カ月で既に顔ぶれが3回も入れ替わったという。
遊民重建中心の陳大徳主任は「経営が順調だとは思わないでほしい。店の管理には普通の店の10倍気を使う」と話した。開店当初は、かつて高級ホテルで料理長を務めたことがあるという男性に働いてもらっていたが、酒癖が悪く、最終的には店で大騒ぎし飛び出してしまった。その後も辞めてしまう従業員が続出。中には売上金を失敬する不届き者も。
それでも陳主任は「一人一人を何とか助けていきたい。皆さんも弁当で満腹すると同時に、ホームレスの人たちに更生の機会を与えてほしい」と支援を呼び掛けている。