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「ハゲにはマルチビザ出さない」、中国の怪規定で混乱


ニュース 社会 作成日:2010年6月10日_記事番号:T00023293

「ハゲにはマルチビザ出さない」、中国の怪規定で混乱

 
 今年に入り、髪の毛が少ない人で、中国ビジネスを営む人は、頭を抱えてしまった。中国政府が今年1月、台湾人が中国に渡航する際の旅券に相当する「台湾居民来往大陸通行証」(通称・台胞証)に押されるビジネス用の数次入境許可(マルチビザに相当、1年有効)をスキンヘッドや薄毛、いわゆる「ハゲ」の人には発給しないと通達したのだ。

 ハゲを理由にビザの発給が拒否されるなど前代未聞。髪の毛が寂しいビジネス客の中には、実際に申請を却下される人が続出した。カツラなどをかぶれば、身分を偽ることが容易なことから、治安上の理由で設けられた規定とみられるが、申請を却下された人にしてみれば、蔑視(べっし)されたようで気分が悪い。果たして、ビジネス関係者や旅行会社からは一斉に不満や疑問の声が上がった。

 10日の台湾各紙によると、この奇妙な規定は、福建省アモイ市の公安当局のみが設けたローカルルールのようで、旅行会社は中国側の通告を受け、ウェブサイトを通じ、「『光頭』(スキンヘッド)、『禿頭』(ハゲ)の人の申請は受理できない」との新規定を周知した。その結果、髪の毛の量が「規定」に満たない人は一次入境許可(シングルビザ)の取得や暫住証(臨時居住証)への切り替えを余儀なくされた。一部の芸能人がマルチビザ申請を却下されたとの話もある。

 しかし、中国で法律や規定が変わるなど日常茶飯事。アモイ市公安局が3月に改正した規定からは「ハゲ条項」が消えた。それでも旅行会社には規定の再変更が周知徹底されておらず、一部では最近になってはじめて変更を知った業者もあり、今も混乱が続いているという。