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石油・化学
作成日:2010年6月10日_記事番号:T00023304
王永慶氏の弟、経営主導権維持に60億元投入
2008年10月に死去した台塑集団(台湾プラスチックグループ)の創業者、王永慶氏の遺産相続争いが未解決となっている中、王永慶氏の弟、王永在氏(89)が経営主導権を維持するため、グループの主要3社の株式追加取得に60億台湾元(約169億円)を投じていたことが分かった。10日付蘋果日報が伝えた。
王永慶氏の遺産相続では、王永在氏のほか、王永慶氏の子供たち、配偶者ら15人にグループ主要企業の株式が分散する見通しとなっており、その一部が市場に売却された場合、経営主導権の行方が微妙となる。このため、王永在氏はグループ3社の株式を買い増し、経営主導権の維持に先手を打った格好だ。
王永在氏に近い関係者は「今回の投資は個人的なものだ。グループ3社の発展可能性に加え、王永慶氏の持ち株が市中に流出する可能性があることから投資を決めた」と説明した。
この結果、王永在氏の持ち株比率は、台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー、台化)で従来の6.3%から7.37%に高まり、王永慶氏を上回る2位株主に浮上。台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)で4.43%、南亜塑膠工業(南亜プラスチック)で5.41%まで持ち株比率を高めた。