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強くたたくほど健康に?!新種の民間療法に賛否両論


ニュース 社会 作成日:2010年6月14日_記事番号:T00023356

強くたたくほど健康に?!新種の民間療法に賛否両論

 
 最近テレビや書籍で紹介され、ちょっとしたブームになっているユニークなデトックス(排毒、解毒健康法)をご存知だろうか?手や道具を使って、身体の悪い部分を思い切りたたく「拍打保健療法(たたく健康法)」がそれだ。

 このデトックスは中国の健康管理専門家、蕭宏慈氏が考案したもので、台湾にこれを紹介したのは台北市衛生局「職場健康管理師」の資格を持つ呉世楠氏。同氏によると、できるだけ強い力でたたくのがポイント。痛ければ痛いほど効果的で、血行がよくなり体内の毒素がたくさん排出されるという。たたいた後にできるあざや疲労感は、肝臓が排毒しているためで、正常な現象だそうだ。

 実際にこのデトックスを実践したある女性は、腕に青や紫色のあざを作りながらも、「まるで別人になったみたい、身体が軽くなった」と喜びの声。睡眠薬なしでは眠れなかった慢性病の女性が2カ月続けたところ、睡眠薬の服用量が約10分の1に減ったという報告もある。

 しかし西洋医は、このデトックスに「何の根拠もない」と否定的。力いっぱいたたくことで、毛細血管の出血や筋肉損傷、皮膚の細菌感染などの症状が引き起こされる可能性があり、「百害あって一利なし」だとか。特に抗凝固薬、抗血小板剤などを服用している人は厳禁だそうだ。

 同様に漢方医からも「自分の身体を虐待するようなもので、罪作りなことだ」などと批判的な声が。台北市中医師公会(同業組合)の陳旺全名誉理事長によると、たたくことであざができるのは単に過度の刺激に対して身体の防衛システムが反応しているだけで、排毒とは関係ないという。

 行政院衛生署中医薬委員会の黄林煌主任委員は、「たたく健康法」や下痢による痩身を促す「ダイエット薬」など、身体に異常な反応を引き起こす健康法は「たいていが疑わしい」と指摘。ただ、このような民間療法は誇大広告や医療行為に触れない限り、取り締まれないのが現状だという。