メモリモジュール大手の創見資訊(トランセンド・インフォメーション)がマルチメディアプレイヤー市場、威剛科技(Aデータ・テクノロジー)が電源アダプタ市場への参入を宣言した。モジュールメーカーの経営多角化は、売上成長を狙ったものであるとともに、DRAMおよびNAND型フラッシュメモリーの小売市場縮小を表しているようだ。14日付電子時報が報じた。
トランセンドはこのほど、高解像度(HD)ビデオとオーディオの出力機能を備えるマルチメディアプレイヤー「DMP10 HD」を発表した。高速USBポートを2つ搭載し、容量の大きいUSBメモリーや外付けハードディスクからの読み取りも可能だ。これにより、デジタル画像を見るために、ファイルをいったんCDに書き込んだり、テレビとパソコンをつなぐ手間が省けるという。
トランセンドのマルチメディアプレイヤー「DMP10 HD」(同社提供)
威剛は電源アダプタ「Horusシリーズ」をゲーム愛好者などをターゲットに発売した。さまざまな出力ワット数の製品を取りそろえたほか、3色のLED表示で電力変換効率の度合いが分かるようにした。
メモリー業界関係者は、DRAMモジュールの小売市場が大幅に縮小していると指摘。理由として、▽ノートPC普及によるデスクトップPC市場の縮小▽DRAM価格下落により内蔵DRAM容量が増え、消費者が自分でメモリ容量を拡張するケースが減った──を挙げた。