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作成日:2010年6月15日_記事番号:T00023401
ECFA対象から工作機械除外、競争力低下に懸念
中台が海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)で、工作機械がアーリーハーベスト(関税の早期引き下げ)の対象品目から除外される見通しとなり、業界では台湾製工作機械の競争力低下に対する懸念が広がっている。業界団体の台湾区工作機械・部品工業同業公会の楊徳華理事長は「署名しないほうがましだ」と不満を漏らした。15日付工商時報などが伝えた。
アーリーハーベスト対象品目には、工作機械の部品だけが含まれ、完成品は除外される見通しが強まっている。
これについて、台中精機の黄明和総経理は「中国は従来型の工作機械で相当の競争力を持っている。中国の工作機械メーカーは安値で部品を調達し、コストの優位性で台湾の工作機械メーカーと競争することになる」と危機感をあらわにした。実際に、工作機械業界では今年初めから部品の供給不足が起きており、背景には中国企業による台湾製部品調達があるとみられている。
大立機械の荘大立総経理は「中国企業の台湾製部品調達は、大半が一度に100台分以上に上る。台湾の工作機械メーカーによる調達は多くても数十台分で、その差を見れば、台湾メーカーの発注が中国からの発注によって締め出されてしまっていることが理解できる」と指摘した。