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作成日:2010年6月17日_記事番号:T00023425
HIV対策費が予算超過、感染拡大で=疾病管制局
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染対策および治療のための衛生署の費用支出が2009年、治療費のみで18億4,000万台湾元(約52億2,000万円)に達し、全予算の18億元を初めて上回った。林頂・行政院衛生署疾病管制局副局長は、「現在の感染拡大ペースが続けば、費用を捻出(ねんしゅつ)できなくなるか、他の疾病の対策予算に影響が及ぶ恐れがある」と指摘した。17日付自由時報が報じた。
衛生署の予算18億元の内訳は、治療費が14億元、感染防止のための啓発活動などが4億元だ。昨年が治療費のうち薬品の費用が8割を占めた。
HIV感染者は昨年新たに1,648人増え、累計で1万8,378人となった。昨年の新規感染者のうち約1,000人が同性間の性交渉、約100人余りが薬物注射が原因だった。感染者1人当たりの治療費は年間約15万元で、発症した場合は約30万円と倍増する。海外の統計によると感染者の平均生存年数は21.9年に上っており、台湾もこの水準に近いとみられるため、林副局長は「医療負担はかなり重い」と話す。
林副局長は、啓発活動の強化により新規感染者を減らすことを当面の重要課題に挙げており、安全な性行為を心掛けることや注射針の使い回しは絶対に行わないことを呼び掛けている。