ニュース
その他分野
作成日:2010年6月18日_記事番号:T00023447
「台湾は専門サービス業の強化を」、大前研一氏が提言
経営コンサルタントの大前研一氏は、今月22日に台北で行う講演に先立ち、聯合報グループのインタビューに応じ、台湾企業は中国で専門的なサービス業を強化すべきだとの考えを示すなど、台湾企業の対中戦略について見解を示した。
中台を恐れる韓国
大前氏は中台関係を「二国一制度」と形容し、いずれも市場経済を追求していると指摘。その上で、台湾と中国が結び付くことを最も恐れているのは韓国だと分析した。大前氏は「韓国は金融危機から脱した後、中国市場では台湾企業にかなわない状況が続いている。台湾には中国語、英語、日本語で(韓国に比べ)優位性がある」との認識を示した。
中国では専門サービス業が鍵
大前氏はまた、最近、鴻海集団(フォックスコン)傘下の富士康国際(FIH)で起きた連鎖自殺や賃上げをめぐる騒動に触れ、「中国で起きた問題は、台湾企業が労働者を搾取しているという悪人のイメージを背負わせた。中国は最近大きく変化しており、富士康事件はすべての企業に影響を与えた」と指摘した。
その上で、大前氏は「台湾企業はベトナムやインドネシアの工場を建てるわけにはいかない。そうすれば中国市場での競争の優位性が失われてしまう」と述べ、打開策としては、「専門的なサービス業に焦点を当てるべきだ」と訴えた。
大前氏は、中国の専門サービス業が現在、香港企業に独占されていると指摘し、台湾企業は今後、製造業にとどまらず、金融、情報通信、株式市場関連など専門サービス業を強化して行くべきだと提言した。
大前氏は中華民国工商協進会、聯合報グループの招きで、今月22日に台北で講演を予定している。