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コンパル重慶進出へ 、中国第2のノート集積地に


ニュース 電子 作成日:2010年6月18日_記事番号:T00023472

コンパル重慶進出へ 、中国第2のノート集積地に

 
 ノートパソコン受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)の許勝雄董事長は17日、中国・重慶市に工場を設置し来年から生産を始める計画を明らかにした。重慶に進出するノートPC受託生産メーカーとしては、鴻海精密工業、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、英業達(インベンテック)に続く4社目で、同市は華東に次ぐ中国第2のノートPC生産拠点に発展する見通しだ。18日付経済日報などが報じた。
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 重慶進出の理由について許董事長は、「顧客の需要に応じた措置」と説明した。ただ、重慶は生産拠点としては小規模で、江蘇省昆山を中心拠点とする中長期方針に変更はないという。昆山では新規生産ラインの拡張を続けており、第3四半期に月産台数が600万台に達する見通しだ。

 重慶では来年、鴻海など先行3社の生産台数が2,000万~3,000万台規模に達する見込みで、宏碁(エイサー)と華碩電脳(ASUS)の台湾2大ブランドも台湾受託生産メーカーの重慶工場に発注を行う可能性を示唆している。

 許董事長はまた、ベトナム北部ビンフック省での生産計画について、第4四半期に工場が完成し、来年から量産に入るとの見通しも明らかにした。

ノートPC受託価格、「引き上げ困難」

 鴻海科技集団(フォックスコン)が中国従業員に対する大幅賃上げを発表して以降、中国で生産を行う電子メーカー各社に、賃上げに伴うコスト増を受注価格や製品価格に反映するといった観測が相次いで伝えられているが、許董事長はノートPC受託価格について、「過去30年下がる一方で、引き上げは困難」との見方を示した。その上で、付加価値の向上や管理能力の強化、生産自動化などを通じて競争力強化に取り組む考えを表明した。

 また、今回の中国の賃上げの波を通じた賃金上昇幅は1~2割に達すると予想を示しつつ、コンパルも各地で適度な賃上げを行うとした。その上で、賃上げの経営への影響は限定的と説明した。

 今年下半期の電子業界の景気見通しについては、落ち込みはあり得ず安定を保つとの見方を提示した。なお、今年は上半期に川下メーカーによる緊急の補充需要があったため、ノートPC、デスクトップPC、携帯電話などの上半期と下半期の出荷割合は45対55と、例年の4対6に比べて下半期の割合が低くなると予想している。

【表】