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作成日:2010年6月21日_記事番号:T00023479
ECFA第4回交渉、早期締結の鍵に
海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)の締結に向けた中台当局者間の第4回交渉が近く台北で開催される。台湾側は一部の工作機械や石油化学製品のアーリーハーベスト(関税の早期引き下げ)への追加盛り込みを求めている一方、中国側は工業製品の輸入開放を要求しており、激しいつな引きが予想される。ECFAを当初目標の6月末までに締結できるかは、同交渉の行方が鍵となるもようだ。21日付工商時報が報じた。
石化製品のポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ABSなどで中国側は関税引き下げに同意しておらず、特にPPは昨年台湾の対中輸出額が6億4,000万米ドルに上り、またシンガポールが強い競争力を持つ製品でもあるため、台湾側は第4回交渉でアーリーハーベストへの盛り込みを強く働き掛ける。
一方、台湾は世界貿易機関(WTO)加盟9年目の現在も中国の農産品875項目、工業製品1,374項目の輸入を制限しており、中国側は農産品は台湾側の事情に配慮して開放を求めない代わりに、工業製品をアーリーハーベストに盛り込むよう求めている。
現段階でアーリーハーベストへの盛り込みで合意に達したのは、台湾側510品目(約120億米ドル)、中国側260~270品目(約30億米ドル)。中国の対台交渉担当者は、台湾に対して既に項目、金額で最大限の譲歩をしており、台湾側が中国産業界からの圧力を理解できなければ交渉は足踏み状態に陥ると警告している。
こうした中、ECFAは締結を優先させ、細部は改めて詰めるべきという意見も双方から出ている。