ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

価値のない「速達」、配達スピードは「普通」以下?


ニュース 社会 作成日:2010年6月23日_記事番号:T00023532

価値のない「速達」、配達スピードは「普通」以下?

 
 財団法人中華民国消費者文教基金会(消基会)が22日発表した郵便物に関する調査結果で、「速達」の配達スピードが「普通郵便」以下という、とんでもないケースが判明した。

 消基会の調査は、台北、台中、台南、高雄の4地区で封書160通を投函(とうかん)し、その配達にかかった時間を調べたもの。郵便物の種類は、普通郵便(5台湾元)、普通書留(25元)、速達(12元)、速達書留(32元)の4種類で、1日2回、午前11時と午後3時に投函した。

 中華郵政の規定では、「本地(郵便番号の上3けたが同じエリア)間」(例:台北市大安区→台北市大安区)での速達郵便物(速達、速達書留)は、午前中に投函された場合は当日中に、正午から午後6時までに投函された場合は翌日の午前中に、それぞれ配達されることになっている。

 ところが、消基会が午前中に投函した本地間の速達郵便物16件のうち、速達は5件(31.25%)が、速達書留は2件(12.5%)が、その日のうちに届かなかったことが分かった。

 また、「本地間」以外(都市間、都市~郊外間など)の配達では、サンプル40件のうち2件は「速達」と「普通郵便」が同時に届き、残りの8件はなんと「速達」のほうが「普通郵便」よりも遅かった。つまり25%(10件)の速達は普通郵便と同じかそれ以下の配達スピードだったというわけだ。これでは、速達の意味は全くないといえる。

 中華郵政が2008年に取り扱った速達郵便物は約1億200万件。消基会は、中華郵政は消費者から年間1億9,000万元以上を不正に受け取ったことになると批判している。

 これに対して曽錦雄・中華郵政郵務処処長は、「速達が遅過ぎるのではなく、普通郵便が速くなっただけ」と説明。交通機関の発達やオートメーション化により、これまで2~3日を要していた普通郵便の配達スピードがアップしたことから、このような状況が発生していると弁解した。

 なお、本地間や都市間では普通郵便と速達に大差がないことから、速達の廃止も視野に入れているという。ただ、速達郵便は祝祭日でも毎日3回配達するが、普通郵便にはこのサービスはない。週末に投函するなら速達を選ぶなど、消費者自身の賢い選択が必要なようだ。