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中国製鋼材の増値税還付廃止、相場下支えに期待


ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2010年6月23日_記事番号:T00023547

中国製鋼材の増値税還付廃止、相場下支えに期待

 
 中国財政部は22日、鉄鋼製品などの輸出に適用していた増値税(付加価値税)の還付制度を7月15日から撤廃すると発表した。特に熱延製品に対する増値税還付率はこれまでの9%から一気にゼロとなる。これにより、中国の熱延製品は輸出量が減少し、市場価格が下支えされる見通しで、台湾の鉄鋼業界には歓迎ムードが広がっている。23日付工商時報が伝えた。

 中国は金融危機による輸出の落ち込みを回避し、輸出企業を支援するため、2008年から増値税の還付率を引き上げていた。しかし、今年は輸出が持ち直したため、還付制度を段階的に撤廃していく方針に転じた。

 中国の熱延鋼材価格は、1トン当たり650米ドルまで値下がりしていたが、増値税還付の廃止分が転嫁されれば、価格は同710米ドル前後まで上昇が見込まれる。

 台湾の中国鋼鉄幹部は「中国当局は明らかに鋼材の輸出を奨励していない。鋼材輸出コストが上昇し、中国の鋼材輸出は確実に減少する。鉄鋼価格は下支えされ、下値余地は限定的となり、反発の可能性もある」と分析した。