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ECFA29日調印へ、関税引き下げ539品目


ニュース その他分野 作成日:2010年6月25日_記事番号:T00023618

ECFA29日調印へ、関税引き下げ539品目

 
 中台間の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)が29日、中国・重慶市で調印されることが決まった。24日、ECFAの軸となるアーリーハーベスト(関税の早期引き下げ)の対象を台湾側539品目、中国側267品目に拡大した上で双方が合意に達した。ECFAが立法院での審議を経て発効となれば、アーリーハーベストの対象品目は2011年から13年にかけて段階的にゼロ関税となる。25日付経済日報などが報じた。
 
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 24日に台北市の円山大飯店(グランドホテル)で行われたECFAの第4回予備交渉で、アーリーハーベストへの盛り込みが決まった対象品目数は、台湾側539品目で対中輸出額が138億3,800万米ドルに相当し、対中輸出全体の16.1%を占める。中国側267品目は28億5,800万米ドルで、対台輸出の10.5%を占める。金額ベースでも品目数でも、台湾側が大きく上回った。ECFA発効日から2年をかけ、現在の関税率(中国平均8.9%、台湾平均4.3%)に応じて品目ごとに3段階を経て0%まで引き下げられる。
  
 台湾側の対象品目には、これまで中国側が渋っていた石油化学製品のポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)や工作機械産業の一部主力製品が土壇場で盛り込まれた。石化業界からは、期待していたほど対象品目が増えず、メリットはそれほど大きくないとの声が聞かれたが、機械業界からは「100%満足ではないが納得できる」と一定の評価が得られたようだ。 一方、台湾が強みを持ち、日韓企業と競合する自動車の完成車、液晶パネル、その他石化製品、機械などは今回は対象品目入りが見送られた。
 
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呉敦義行政院長(中)は24日、ECFAのアーリーハーベスト合意で、中国側の対象品目を台湾側の約半分に抑えたことに「よく守り抜いた」と評価した(24日=中央社)
  
人民元業務、支店設立から最短1年
 
 サービス業のアーリーハーベストに含まれる中国金融市場の開放では、台湾金融機関は中国支店設立1年で利益を計上すれば、中国の台湾企業に対する人民元取り扱い業務や融資業務が可能となった。中国側は当初、設立2年を条件に求めており、台湾側が譲歩を引き出した格好だ。

第5回江陳会で調印
 
 ECFAは29日、中台の窓口機関、台湾側の海峡交流基金会(海基会)の江丙坤董事長と中国側の海峡両岸関係協会(海協会)の陳雲林会長による第5回民間トップ会談(江陳会)で調印される運びだ。その後立法院でスムーズに可決に至れば、11年1月1日付で発効する見通しだ。

馬総統、締結後を視野
 
 馬英九総統は24日、「ECFAは前菜にすぎない」と発言し、締結後の取り組みを考える時期にきたとの認識を示した。7月初旬にも、今後の国際社会における経済政策を発表する方針とみられる。また、海外諸国・地域との自由貿易協定(FTA)調印に向け、馬総統自身がFTA作業グループの招集人を務めると観測されている。
  
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