ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

西門町のポン引き、最盛期の1割以下に


ニュース 社会 作成日:2010年6月28日_記事番号:T00023619

西門町のポン引き、最盛期の1割以下に

 
 「昔はひと晩に20人の客を取れたが、今は1日に2人でもいいところさ」台北市の旧繁華街、西門町の夜を舞台に活動する古株のポン引き男性はこう嘆く。かつて最盛期には100人以上いたという西門町一帯のポン引きは、今では7~8人を残すのみ。年齢も50代以上と高齢化が進んでいる。

 かつて西門町に映画館やダンスホール、風俗店が集中し、台北最大の繁華街だったころ、華西街の赤線地帯との相乗効果で、ポン引き商売は大繁盛だった。

 中には真っ昼間から堂々と客引きをするポン引きの姿も見られ、学生さえもターゲットにされたとか。ポン引きの懐に入るコミッションは、客1人当たり300~500台湾元で、1日の収入が1万元を超えることもざらだった。仕事を終えた後はダンスホールや賭博場へ繰り出し、羽振りよく遊ぶのが常だったようだ。

 当時は暴力団の縄張り争い同様、ポン引き同士の商売争いもし烈だった。たった500元のコミッションのために同業者同士で殴り合い、死者が出たこともあったという。

 しかし、理容院やマッサージ店などを装う風俗業者に対する警察の取り締まりが厳しくなると、これら風俗店のボディガード役を兼ねることが多かったポン引きの商売もあがったりに。人数も激減した。

 残ったポン引きも警察にマークされているため、こそこそと商売をするしかない状態だ。近年は「援助交際」が広がり、ポン引きの商売をおびやかしている。古株のポン引きいわく「援交に負けた」。援交女性は路上で公然と客引きをしても、警察に取り締まられないと、ポン引きは不満を訴える。

 ポン引きの書き入れ時は、午後11時から午前2時の時間帯。峨眉街を中心に漢中街、西寧南路、昆明街、武昌街一帯に出没する。たいていはコンビニエンスストアの入り口で、くわえタバコで雑談をしたり、自転車でうろつきながら獲物を探す。中年男性や酒気を帯びた男性を見つけると素早く近付き、話を持ち掛ける。話がまとまると客を路地裏の小さなホテルへ案内する。相場は3,000元前後とか。

 西門町を管轄する台北市政府警察局万華分局によると、最近では客を台北県のホテルへ連れて行くので、取り締まりがより困難になっているという。