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作成日:2010年7月2日_記事番号:T00023736
ガソリン切れの観光バス、トンネル内で立ち往生

30日午後9時半ごろ、宜蘭を出発した大型観光バスが、台北と宜蘭を結ぶ北宜高速公路(国道5号)の雪山トンネル(全長12.9キロメートル)内で立ち往生してしまった。原因は故障ではなく、なんとガソリン切れだというから驚きだ。
雪山トンネルは2006年6月の開通以来、週末や祝日には慢性的な渋滞が起きている。不幸中の幸いだったのは、問題のバスは乗客を乗せておらず、平日の夜だったことだが、大型バスが燃料切れのために雪山トンネル内で立ち往生したのは、初めてのことだ。
この観光バスのドライバー(44)によると、宜蘭を出発する際にはまだガソリンが残っていたので、台北市内の会社までなんとか持つだろうと思ったという。ところが、高速を北上する上り坂を走行すると、みるみるうちにガソリンがなくなった。「こんなにガソリンを食うとは予想外で、判断ミスだった」とはドライバーの弁。
バスがトンネルに入るや、メーターはガソリン切れを表示。トンネルの出口まであと4キロという地点でエンコしてしまった。ドライバーはすぐに、バスを前方の道路脇にあった避難エリアに移動させ、救援を待った。幸い、宜蘭の同業者からガソリンを調達し、およそ40分後、午後10時すぎに再び台北へ出発することができた。
バスは避難エリアに停車することができたので、交通に影響はなかったものの、対応に当たった警察官は、「長年警官をやっているが、ガソリンの切れた観光バスを見たのはこれが初めてだ」と信じられない様子。
なお、道路交通管理処罰条例によれば、「高速道路、快速道路を走行中に水や電気、燃料が切れた場合は600~1,200台湾元の罰金」。よってドライバーには600元の罰金が科せられたが、もし車道で停車した場合は、3,000~6,000元と罰金額は5倍以上になるところだった。
大型バスがトンネル内でエンコした場合、トンネルの安全と交通に大きな影響を及ぼすことは避けられない。もしこれが休日の渋滞する時間帯だったら、と思うとぞっとしたのはこのお気楽ドライバーだけではないだろう。